【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~



 竜倒公爵……、
 その名前の通り、ウォルツ家は、竜を倒したことで爵位を得た家だ。



「おまえも知っているとおり、
王妃はおまえと妹のフローリアを産んで、亡くなってしまった。
だから、この国には後継ぎがいない。
『愚かな女王』の事件のあと、
『後継ぎは男であるべし』、と竜倒公爵が願ったためにな」



 それは歴史の時間、嫌というほど習った。



「つまり、わたくしが結婚することで、
アンダーソン様を婿養子に迎える、ということですね」

「その通りだ。
この国の王家の血の直系である王妃もまた、
わたしを婿にすることで、おまえたちを産んだのだ」

「わたくしに拒否権は?」

「エレオノーラ……。わたしを、困らせないでくれ」



 分かっている。そんなもの、ない。

 アンダーソンとは、お父様の開いた晩餐会で会ったことがある。

 年齢は十六歳。
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