【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 その後も、アンダーソンはいかに自分の家柄が
 すばらしいかを自慢していた。

 わざと飲み物をこぼし、
 メイドにふかせて、「仕事が遅い!」とどなってもいた。

 あの男と、結婚?

 お父様との会話を終え、部屋にもどった後、わたしは考えた。

 わたしの人生、これでいいの?

 確かに、わたしは、小さな頃から恵まれて生きてきた。

 洋服や、食べ物に不自由したことは一度もない。

 でも、わたしの意思は、そこになかった。

 まるで着せ替え人形のように着替えさせられ、
 体形を保つように計算されつくした料理を食べる。

 晩餐会でのダンスだって、
 「次はあの方と踊りなさい」だとか、
 「あの方には挨拶をしっかりとしておくように」だとか、
 細かい指示を出されて、それに従うだけ。

 これで、わたしは生きているって言えるの?

 ……言えない。

 こんなの、死んでるのと変わりないよ。
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