【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 ナイフで切った髪が、ハラハラと床に落ちる。

 アカゾメの実で、髪を染めれば……。

 鏡を見ると、そこには赤毛のショートカットのわたしが映っていた。

 つけぼくろは、左目の下につけよう。

 この桃色の目の色は変えられないけど……。

 しかたがないよね。

 相手はこの魔法のほくろに目がいって、そんなに顔を覚えていないし。

 これで、完璧だ。

 あとは、メイド服に着替えて、城内のゴミ捨て場へ向かう。

 そこには、私がギリギリ入れそうな木箱があった。

 木箱には、使用済みワインのビンと書かれていたが、
 フタをあけてみると中は空っぽだった。

 そろそろ、城の外のゴミ捨て場に、ゴミが移されるはず。

 わたしは木箱の中にもぐりこみ、中からなんとかフタをした。

 しばらくすると、ゴミを運ぶ係の人がやってきたのが箱のスキマから見えた。
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