【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
いくらマオだからって、こんな、
王族と竜倒公爵の息子との結婚を止めることなんて、
できないよ……。
「ただし、その前に聞きたいことがある」
わたしは力なく顔を上げた。
聞きたいこと? なんだろう?
「エート、おまえに、戦う覚悟はあるか?」
戦う、覚悟……?
どういうこと?
わたしが疑問に思っていると、マオはわたしの目をじっと見つめた。
「逃げるのではなく、戦う覚悟だ。
もし、未来を切り開きたいと思うなら、
父ともアンダーソン公子とも戦わなければならなくなるだろう」
逃げるのではなく、戦う……?
お父様とも、アンダーソンとも……。
「戦うっていったって、どうすればいいの?」
わたしの声は、途方に暮れた迷子の子どものようだった。
だって、お父様は国王で、国で一番偉くて。
アンダーソンだって、王族になる気満々で。