【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
そんな人たちを相手に、なんの力も持たないわたしが、
どう戦うかなんて、全然分かんないよ。
「それはおれたち管理人が、みんなで考る。
どう動いて、どう物事を進めていくかは、まかせてくれ。
おまえは、覚悟を決めさえすればいい」
マオは静かにそう言って、黙ってしまった。
……わたしの返事を待ってるんだ。
わたしは、自身に問いかける。
戦うということは、マオを、そして管理人たちをひたすらに信じて、突き進むこと。
その勇気が、わたしにある?
『もし、おまえが何か困っていて、
抱えきれなくなったら、その重荷をおれたちに分けてくれ。
きっと、力になる……』
ふと、熱を出した時に聞いたマオの言葉が頭に浮かんだ。
その時の髪をすいてくれた手の温かさや、優しい声も。
――今が、その時なのかもしれない。
「分かった、マオ。わたし、戦う」