【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
 ああ、マオが、両手で、わたしの手を包んでくれてるんだ。

 大きな手。

 あったかくて、不思議と力がじんわりとわいてくる。

 大丈夫。マオが……、みんなが力になってくれるなら、絶対になんとかなるよ。

 目を閉じた暗闇にあるのは、不安じゃない。

 マオや、管理人のみんながついてくれているという安心感だ。



「さ、目をあけていいぞ」

「ふふ、ありがとう、マオ。元気出たよ」



 うん、本当に、元気が出てきた。

 おまじないの力、抜群だね!



「そうだ、エート。おまえに、ひとつ言っておこう」



 めずらしく、マオがいたずらっぽい笑みを浮かべている。



「このダンジョン・マンションの管理人をやめるには、条件があってな……」



 条件?

 マオはひっそりと、わたしに耳打ちした。

 その条件に、わたしは思わず笑ってしまったのだった。
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