【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「どうしたも何も、言葉の通り。
わたし、自分より弱い人と結婚なんて絶対にしない。
それに、フローリアとの結婚も、認めてやらないから」
こんな風に父さんに反抗したのは、初めてだ。
手汗がひどい。それをぎゅっとにぎりしめる。
バクバクと鳴る心臓に活を入れて、わたしはしっかりと足をふみしめた。
「エレオノーラ、おまえより強い人とは、いったいどういうことだ?」
「それはね、父さん。こういうことだよ」
わたしが詠唱すると、あらわれたのは、サラマンダーのムドー。
「ぎゃあ、モンスター!」
「王、王女! 竜倒公爵も! お逃げください!」
周りにいた兵士たちが、あわてて動き出す。
「みんな、ストップ。
大丈夫、このサラマンダーは、わたしの言うことを聞くから」
その通り、ムドーはおとなしくしている。
下にしかれた絨毯がぶすぶすと焦げてるけど、気にしない。