【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 スライムは、なんていうか……。

 とろみのある水が意思を持って、動いているようなモンスターだ。

 スライムたちは、よく冒険者にやられて、「ねばねば液」を残してたっけ。

 あれは掃除するのが大変だった……。

 名前の通り、とってもねばねばしてるんだもん。



「お姉様、聞いてまして? 
どんなに強いモンスターなのか、わたくしはわかりませんけど……、
油断は禁物ですわよ」

「……うん、そうだね。ありがと、フローリア」



 気合を入れるために、ほほをぴしゃんと両手でたたく。

 そして……、とうとう夕日がソレイユ山の頂に近づき、その時がやってきた。



***



 わたしがコロッセオの中央にあるリングに足を運ぶと、歓声が上がった。



「エレオノーラ王女だ!」

「よくぞ、ご無事で!」

「王女ー! 案じておりました!」



 そんな声が、あちこちから聞こえる。
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