【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 キヨコは雷をたくわえたままの水の膜を、
 水のかたまりに変え、魔法使いに、お返しだ! 
 とばかりの勢いで投げつけた。



「ぐわっ!」



 電気をまとった水のかたまりをうけ、魔法使いはふっとんだ。

 観客がわあっと歓声を上げる。

 電気でしびれているのか、魔法使いは立ち上がれないようだ。

 よし、これで、ひとり戦闘不能!



「ああ、エレオノーラ王女。
あなたは、あなたのモンスターは、なんて強いんだ!
わたくし、とても感動いたしました!」



 おおげさな身振りで、アンダーソンは叫んだ。

 自分はまったく戦わずに、リングの超はじっこの、攻撃がとどかないところで……。

 しかも、めちゃくちゃ分厚い鎧を着て、
 角の生えた兜をかぶって、立派な盾を持っている。

 これ、まともに動けないんじゃない?

 アンダーソンは観客に向かって、余裕で手を振っている。

 ……仲間がひとりやられたっていうのに、なんだろう、この感じ。

 いけない、試合に集中、集中!
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