【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 ムドーの体越しに奥を見ると、
 地面にするどい氷の柱が何本もはえ、
 そのひとつがムドーの体に突き刺さっていた。

 ケルベロスが、氷の息を吐きだしたんだ!



「ぐうううっ!」



 ムドーは、ケルベロスに向かって、炎の息でもって応戦する。

 しかし、その力の差は歴然だった。

 炎が氷に押し負け、とうとうムドーの体の炎が消えてしまった。

 ムドーはもう言葉もなく、うずくまっている。

 わたしの脳裏に、キヨコの最期がよみがえる。

 このまま、ムドーが消えてしまうのは、嫌だ!



「エートの名において、
友の、ムドーの助力に感謝する」



 ムドーは、帰還の魔法陣に吸いこまれていった。



「これで、三匹……」



 くちびるを舌でべろりとなめて、アンダーソンはにまりと笑う。



「さあ、エレオノーラ王女。
あと二体のモンスターを、どうぞ召喚してください」



 日没まで、あと少しなのに……!
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