【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 あと少し。

 あと少しで、ヴァンを呼び出せるのに!

 あせりつつも、何もしないわたしを見て、
 アンダーソンは不思議そうな顔をした。



「おや? どうしました、エレオノーラ王女。
もしや……、
もう、呼び出せるモンスターはいないのですか?」  

「……いえ」

「では、どうぞ召喚してください! さあ!」

「……っ!」



 お願い、早く、夕日よ沈んで!

 審判も、召喚しようとしないわたしを見て、
 「どうされました? 王女」と声をかける。

 観客もざわめきはじめた。

 審判は音の響く魔法をかけてもらい、こう宣言した。



「王女、あと10カウント以内にモンスターを召喚しない場合は……、
アンダーソン公子の勝利とします!」



 観客がみなどよめき、その後、しん、と静まる。

 審判は、「10」とカウントダウンをはじめた。

 もはや、これまでか……。
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