【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
17.あらわれたのは……
わたしの詠唱とともに床にあらわれたのは、
複雑な黒い魔法陣。
そこから、空へ向かって黒い雷のようなものが立ち上った。
あらわれたのは、人、だった。
ただ、人と違うのは、その耳が長く、先がとがっていること。
わたしからは後ろ姿しか見えない。
長い銀髪。
細身だけど、がっちりとした体を包む、黒いコート。
これが……、「魔王サーペントス」?
観客席は蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。
「魔王だと!?」
「お試しダンジョンにも存在したのか!?」
「お、王女様が呼び出したんだよな?」
「ってことは……。
王女様は、魔王をも味方につけてたってことかよ!?」
顔には出してないけど、わたしの内心も、そんな感じです。
召喚できるのが当たり前ですよ~って顔をしておきながら、
冷や汗だらだらですとも。