【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「王女様が、ひっこめたのか? なんのために?」
徐々に観客たちのざわめきが大きくなる中……。
「エート! おれを呼べ!!」
凛とした声が、会場に響いた。
いつも、わたしを力づけてくれる声。
わたしの……、大好きな人の声。
そうだ、日は完全に落ちた。夜は……、彼の時間だ!
「エートの名において、願う。
友よ、ヴァンよ、あらわれたまえ!」
リングにあらわれたのは、金色の魔法陣。
バチバチっと金の光が走る。
光に包まれながらあらわれたのは、ヴァン。
それは、コロッセオの照明になっているアカリ石の光とまじりあい、
とても幻想的な光景だった。
まるで、おとぎ話に聞く、天使みたい……。
と、思ったのは最初だけでした。
魔法陣の光がおさまると、
ヴァンの顔に浮かぶ、凶悪な笑み。