【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 ヴァンが暴走した事件の後から
 マオの監督のもとで練習を始めた。

 さすがはヴァンというべきか、
 練習の時から一度も失敗したことはないんだけど……。

 わたしはというと……、ひたすら緊張する!

 もう、ヴァンがかっこよすぎて、見とれちゃうよ。

 会場も、「おお……!」とどよめいてるし。

 ちくっと走る痛み。今、牙を立てて、血を吸ったんだね。



「ありがとな、エート。
これで……、あいつらを、ぶっとばせる」



 ヴァンの耳と目が変化していく。

 よし、理性ものこってるし、無事に魔王化できたみたい。



「あと、危ないからこれはおれによこしとけ」



 わたしが右手でぎゅうっとにぎりしめていた氷柱を、
 ヴァンは優しく取り上げて……。

 ぶんっ! と、ケルベロスに向かって、思いっきり投げた!

 まるで矢のように氷柱は飛んでいく。
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