【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
ケルベロスは火を吹き、瞬時に氷柱は蒸発。
「さあ、勝負だ犬っころ!」
ヴァンはそう叫んで、
バサッという音とともに背に翼をはやした。
黒い大きな翼は、
コウモリの羽をもっとずっと大きくしたような形だ。
「あの翼は……、ヴァンパイアか!?」
「すげえ! 上級モンスターだ!」
「そうか、だから日がある時は召喚できなかったのか!」
そんな人々の声を聞きながら、わたしはただ祈っていた。
お願い、ヴァン。負けないで!
ヴァンは空中に舞い上がった。
それを追うように、ケルベロスが炎の息を吐く。
しかし、ヴァンの動きが早すぎて、
ケルベロスはまるでついていけてない。
「ウオオオォォォン!」
ケルベロスが吠えると、あの大風の渦が発生した。
大風でみだれた空気で、ヴァンの体がぐらつく。