【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
「イ、イヤというか……。
わしは火の王者、サラマンダーさまじゃ!
そんなものに頼らなくても、自力でカゼなんて治してみせる!」
ん? おお? 動揺してる?
目がキョロキョロと泳いでるぞ。
口ぶりからして、このサラマンダーは、プライドの高い自信家であるとみた。
じゃあ、こうすれば……。
「存じ上げております、王。
わたしも幼い頃より、絵本で王のお話を何度もうかがっておりました。
今、王を目の前にして、感動にふるえております」
いや、ふるえてるのはサラマンダーが怖いからなんだけどね。
でも、サラマンダーは満足そうに鼻息をふしゅーと吐いた。
よーし、この調子で……。
「王は何よりも強く、たくましい、まさに火の象徴であります。
そんな王が、薬が苦すぎてイヤなどと……。
たいへん失礼いたしました」
わたしは深々と礼をする。
「ふむ。まあ、許してやろう」