【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 いつもはキツイ目が細められて、口元にも笑みが浮かんでいる。

 無表情で無愛想だと思ってたけど、こんな顔もできるんだ。



「このマンションの管理人となったからには、
おれも、ヴァンもきみの家族になったと言っていい。
きみをできる限りのものから守ってやるし、きみもおれたちの力になってくれ」



 家族……。
 
 その言葉に、胸がじんとする。
 
 よかった、わたし、ここにいてもいいんだ。
 
 自分で、その権利を勝ち取ったんだ。
 
 マオはまだわたしの頭を優しくなでている。
 
 達成感とくすぐったさと恥ずかしさ。
 
 でも、無性にだれかに甘えたい気持ちもあって、
 わたしはしばらくなでられるままになっていた。
< 41 / 303 >

この作品をシェア

pagetop