【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 わたしには、それができるってこと?



「ちょっと立って、そこらへんの床に向かって右手をつきだしてみろ」

「えっと、こう?」

「言ってみろ。『エートの名において、願う。友よ、ムドーよ、あらわれたまえ』」

「エートの名において、願う。友よ、ムドーよ、あらわれたまえ……?」



 言い終わった瞬間、右手の甲が熱くなった。

 床にあらわれたのは、とかげと炎の紋章を組み込んだ、魔法陣。

 それがピカッと光ったかと思うと、目の前にずーんと大きな体があらわれた。



「おや? もうわしの出番か? なんじゃ、戦いか?」



 うわわわっ! ホントにムドーが出てきちゃったよ!

 へえ、これが、呼び出し、つまりは召喚か。

 地上で飼われているモンスターは、移動させるだけでも大変って聞いたことがある。

 でも、わたしは魔法陣でもって簡単に呼び出せるんだね。
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