【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
 音のした方を見ると、二階のとある部屋のドアがけたたましい音を立てて開いた。



「マオ! やっぱダメだ。あのサラマンダー野郎、完全にカゼひいちまった!」



 ドアを蹴り飛ばして開けたのは、金髪の少年だった。遠目でも分かるほど、この人も美形だ。

 ただ、その顔はとてつもなく不機嫌そうにゆがめられている。



「ヴァン、今は人が来ている。静かに」



 マオと呼ばれた銀髪の男の人は、動じることなくそう注意した。

 いやいや、ヴァンさんが出てきた部屋から、黒い煙がもくもくと出てるんですけどっ!



「か、火事ですか?」



 わたしがあわててると、ヴァンさんが二階の手すりを乗り越え、こちらへむかって飛び降りてきた。
 
 ちょっと、かなりの高さがあるんだけど!?
 
 ダンッ!
 
 そんな心配をよそに、ヴァンさんは華麗に着地してみせた。
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