【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
8.メロウの帽子
「エートちゃんの今日の運勢は……。
うん、トラブルにまきこまれるね」
「いや、毎日のように巻き込まれてますけど」
「でも、それをのりこえたら、ラッキーなことがあるよ!
ラッキーアイテムは、真珠!」
「ラッキーなことかぁ。
でも、真珠は持ってないなぁ。高価なものだし」
「メルダの占いなんて、信じるかぁ? うさんくさい」
「ヴァンくんは……、うん、
かっこわるいってヘコむできごとがあるよ」
「はっ、信じないね」
そんな感じで、わたし、ヴァン、メルダさんでわいわいやっていると……。
「緊急事態だ。管理人全員は食堂に来い」
マオが来て、けわしい顔でそう言った。
な、なんだろう?
管理人たちが食堂兼会議室に集合すると、
マオはみんなを見回し、口を開いた。
「地下三階の住人、マーメイドのキヨコの帽子が、冒険者に盗まれた」