【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~
さっきから、おれ様すぎだよ。
「待て、ヴァン」
「あ?」
もしかして、マオ、止めてくれる? と思ったのもつかの間。
「きみの名を聞いてなかったな。名前を教えてくれないか?
もし死んだ場合、墓になんときざめばいいかわからないからな」
は? お墓!?
自分でも、ざあっと顔から血の気が引いていくのが分かった。
「そんなに危険なんですか!?」
「いや、一応。念のためだ」
マオは無表情のままそう言った。
一応っていっても、その可能性があるってことだよね……?
どうしよう……。
断って、別の働き口を見つけるべき?
「偽名でもいいぜ? こんなところに来てるやつなんて、
身分証明ができなくて働けないやつくらいだ。
どうせオマエもそのクチだろ」
そう、ヴァンの言う通りなんだよね……。
わたしには、身分を証明できるものがない。