【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 今ふたりがいるのは、地上に近い、
 地下二階の火のエリアか、地下一階の風のエリアってことだよね?

 早く、助けに行かなくっちゃ!



「あわてんな、エート。
まずは当時の状況の確認と、
その冒険者についての情報をマオから聞くべきだろ」



 思わずイスから立ち上がったわたしの腕を、ヴァンがつかんだ。



「だって、もしかしたら脱出魔法を使われるかもしれない! 
街に出たら、もう追えなくなっちゃうよ!」



 居ても立っても居られない。

 もう、キヨコに会えなくなっちゃうの? 

 そんなの、嫌だ。



「落ち着けっての。脱出魔法に関しては大丈夫だ。よく考えろ」



 ヴァンはゆっくりと、言い聞かせるようにわたしに向かってそう言った。

 ええと、脱出魔法は、空間魔法の一種。

 本来なら、使うのは超難しい。

 でも、このお試しダンジョンでは、脱出魔法サービスをおこなっている。
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