【完結】お試しダンジョンの管理人 ~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

 キヨコが召使いとして、慣れない地上で生活するかと思うと、
 胸がズキリと痛む。

 モンスターを売買している闇市の話も、聞いたことがある。

 なんでも、マーメイドの肉は、若さを保つ薬になるのだとか……。

 キヨコが食べられちゃうなんて、絶対に嫌!

 だから、情報をもらった方がいいに決まっているんだけど。



「エート、そんくらい、おれがいつでも作ってやるから。
わたしてもいいぞ」



 ヴァンに言われて、胸がぎゅっとなった。

 どうして? という思いと、嫌だ、という思いで胸がいっぱいになる。

 やっぱり、あげられないよ!



「ごめんなさい!
これはあげられないの! 
だって、これは、ヴァンがわたしを認めてくれた証だから。
これで、わたしはこのマンションの管理人の一員なんだって思えるから」
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