親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~



「なるほど、事情は分かった」

レオンさんとアーサーとティムと合流した後、僕の家の一室に僕らは集まって、その時カラミティに行ってていなかった母様にさっきあった出来事を話した後、カナタさんたちから事情を聞いていた。

昨日、カナタさんとエリカさんの前に冒険者を名乗る人物が現れて、2人に僕が魔王の側近であることを話したらしい。そこで、冒険者は2人に魔王を倒せば僕を助けられる、と武器を渡して去っていった。

そして、両親に嘘をついてここまでやって来て、たまたまあの場所でクラル様と会ったそう。そこからは、リルが僕に説明してくれたのと同じ展開になったみたい。

「……でも、引っかかることがあるんだよね。どうして、その冒険者はルーチェのことを知っているんだ?それに、どうして2人にルーチェのことを教えたんだ?」

そう言って、父様は考え込む。

僕も色々と考えた。色々な考えが頭の中を駆け巡る中で、とある考えが浮かぶ。それは、僕の考えた中で1番可能性がありそうなものだった。

……その冒険者は、僕とアーサーとティム、そしてカナタさんとエリカさんの秘密を知ってて、それを利用してるのだとしたら?……でも、分からない。どうやって、僕らの秘密を知った?どうして、カナタさんたちをーー

「いや、これは……わざと、2人を利用した?」
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