親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
「……答え、か……」
その日の夜。椅子に座って、僕は頬杖を付く。レイチェルからの質問の答えは、まだ見つからない。
旭と和夢と別れる時、2人は心配そうにしてた。それほど、僕は何かおかしかったのかな?
「……」
考えれば考えるほど、正解から遠ざかってく気がする。
「こんなんじゃ、クラル様に顔向けできないな……」
はぁ、と1つため息を零して、僕は頬杖を付いてた手を額に乗せた。
「……クラル様……」
無意識に、僕はここにはいないクラル様の名前を呼ぶ。ここにクラル様がいたら、僕は何て言われるんだろう?
この状況になったら、クラル様ならどう対処するのかな。どうして、魔王になったんだろう?どうして、僕を側近に選んだんだろう?とかを考えるのかなぁ……。
「…………そもそも、僕はどうして、クラル様の側近になることを決めたんだっけ?」
新たに生まれる疑問。それを、僕は紙に書き出す。それから、レイチェルからの質問と僕が考えたことを紙に書いてった。
「……やっぱり、悩みとかを紙に書き出すことって大事なんだな」
紙に書き出したことで、頭の中が整理されて、さっきよりも落ち着いて考えられるようになった気がする。