親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
12、この気持ちを
エレナさんと別れて、僕は一旦家に戻ってエレナさんから聞いたことを皆に話す。
そして、話し合った結果、僕と父様は今ルカさんがいるという、魔王たちが集まる際に使われる小さな城・魔王城までやって来た。
この城、モンスターの住処となってる珍しい城なんだよね。それに、魔王たちは襲わないし、人々は近寄らないしで、魔王が集まるのに最適な場所になってる。
『クロード様、ルーチェ様。お久しぶりです』
「久しぶり。ここにいるという、大魔王に会いに来たんだけど……」
魔王城の門番をしてるモンスターに、父様は話しかける。
『……大魔王様より、あなた方が来たら通すようにと仰せつかっております。大魔王様の所へは、他のモンスターが案内してくれます』
そう言って、門番は扉を開けた。そして、近くにいたモンスターに僕らを大魔王に合わせるように指示を出した。
僕と父様はモンスターの後について、大魔王がいるという場所に向かう。
しばらく歩くと、モンスターはとある部屋の前で立ち止まった。
『この部屋に、大魔王様はいます』
そう言って、モンスターは部屋をノックする。
中から「はい」という声が聞こえてきて、モンスターは『ルカ様、ルーチェ様とクロード様をお連れしました』とドアの向こうにいるであろうルカさんに話しかけた。