親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
「……僕、たまに考えるんだ。魔王になって、良かったのかなって。ルーチェが魔王で、僕が側近でも良かったんじゃないかって。ルーチェの方が僕よりも賢いし、僕よりもいいアイデアが出てくる時もあるし……」
クラル様は、そう言って僕から目を逸らす。
「…………魔王は、クラル様にしか出来ませんよ。だって、僕よりも的確な指示が飛ばせるじゃないですか。それに、クラル様は自分の意思で魔王になったんですよね?僕なら、魔王になりませんよ。皆が世界征服を企む中、1人世界平和のために動く。それを、協力があるとはいえ、僕は上手くやれる自信がありませんから。世界平和のために動くことを決めて、実際に行動するクラル様は、凄いと思います」
「ありがとう…………あのさ、ルーチェ。僕の思ってること、全部言ってもいいんだよね?」
確認するように、クラル様は言う。僕は「はい」と頷いた。クラル様は少し迷った後、口を開く。
「……さっきまでとは違うことにはなるんだけど、アーサーやティムたちと敬語を使わずに話すルーチェを見るとさ。何だかモヤモヤするんだ」
「……モヤモヤ……?」
「うん。何だろう、距離を置かれてるように感じるっていうか……」
「……もしかして、敬語を使われるのが嫌ってこと……?」
僕が問いかけると、クラル様は「そうじゃなくて」と首を横に振った。
「これがルーチェの喋り方で、距離を置いてるわけじゃないっていうのは分かってるんだけど、羨ましくなるんだ」
クラル様は、そう言って僕から目を逸らす。
「…………魔王は、クラル様にしか出来ませんよ。だって、僕よりも的確な指示が飛ばせるじゃないですか。それに、クラル様は自分の意思で魔王になったんですよね?僕なら、魔王になりませんよ。皆が世界征服を企む中、1人世界平和のために動く。それを、協力があるとはいえ、僕は上手くやれる自信がありませんから。世界平和のために動くことを決めて、実際に行動するクラル様は、凄いと思います」
「ありがとう…………あのさ、ルーチェ。僕の思ってること、全部言ってもいいんだよね?」
確認するように、クラル様は言う。僕は「はい」と頷いた。クラル様は少し迷った後、口を開く。
「……さっきまでとは違うことにはなるんだけど、アーサーやティムたちと敬語を使わずに話すルーチェを見るとさ。何だかモヤモヤするんだ」
「……モヤモヤ……?」
「うん。何だろう、距離を置かれてるように感じるっていうか……」
「……もしかして、敬語を使われるのが嫌ってこと……?」
僕が問いかけると、クラル様は「そうじゃなくて」と首を横に振った。
「これがルーチェの喋り方で、距離を置いてるわけじゃないっていうのは分かってるんだけど、羨ましくなるんだ」