親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
父様とレオンさんは、昔の話に花を咲かせる。2人はとても楽しそうで、僕は思わず微笑んだ。

「……父様って、昔は冒険者になりたかったんですか?」

僕が話を聞いてて、疑問に思ったことを問いかける。

「……うん。そうだよ……ルーチェになら、話してもいいかもね。俺が、魔王になった理由。その代わり、クラルには内緒だよ?」

「えっ、お前……魔王なの?」

父様の言葉に、レオンさんは反応した。父様は「うん」と頷く。レオンさんは「お前がなぁ……」と父様を見つめた。

「……俺も興味ある。聞かせてくれない?」

少し間が空いて、レオンさんは父様に問いかける。父様は、微笑むと無言で頷いた。

「……俺は、この町・カラミティで生まれ育った。冒険者の両親に育てられて、俺もいつしか冒険者になりたいと思うようになって、冒険者育成学校に入学したんだ。そこで、出会ったのが同級生のレオンでさ」

父様は、そう言ってレオンさんを見つめる。レオンさんは「そうだね」と微笑んだ。

「……学校を卒業する半年くらい前だったかな。俺は、魔王たちがとある計画を立てていることを知った。その計画は、最悪の場合カラミティが全滅するほどのもので……それを止めるために、俺は冒険者の道を諦めて、学校を卒業してから魔王の座を奪って魔王になったんだ。その方が、魔王軍を止めやすいからね」
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