親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
いつもより声を小さくした父様が、話しかけてくる。

……ここに来る時、ビオラさんの解呪を試みてる時に、ルシフェルさんが割って入ってくるかもという想定はしていた。

だけど、ティムの解呪の笛を奪われることまでは考えてなかった。

……そういや、ルシフェルさんもビオラさんも攻撃をしてこないな。僕らの出方を窺ってるのか?

「……八咫烏。ここに来た時……呪具が2つって言ってたよね?その1つがビオラさんので……あともう1つは誰が持ってるとか分かる?」

僕も声を落として、近くにいた八咫烏に話しかける。

『…………分かります。もう1つは、ルシフェルさんが持っていますね。ルシフェルさんの持つ杖がそうです』

「呪具の化身って、呪具の効果も分かるんでしょ?」

『はい。効果は、真実を知ることが出来る……です。その力は強く、呪具に近寄っただけで呪具の影響を受けて暴走する。今までモンスターの様子がおかしかったのは、あの呪具の影響の可能性が高いでしょう……影響を受けやすいのは、モンスターだけですが』

……真実を知る力……。

僕は少し考えた後、僕はギルバートさんとルカさんを連れて部屋の隅に移動した。

移動してから、ルシフェルさんの方をチラリと見る。
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