親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
15、親愛なる魔王の君へ
あれから1週間が経った。皆はそれぞれの家に帰って、いつもの日常に戻った。
ギルバートさん曰く、ルシフェルさんは武器と魔力を全部奪われたあと、魔王城にある牢に入れられたらしい。
ルシフェルさんは、牢での生活を案外気に入ってるらしくて、それを聞いたルカさんはドン引きしてた。
そして、大魔王のルカさんと側近となった父様は、良くルカさんの家で、世間話から世界平和について色々と話してるらしい。
「クラル様、ちょっといい?」
意識しなくても敬語なしで話せるようになってきて、今では父様や母様にも敬語なしで話すようにしてる。
「ルーチェ、どうしたの?」
「レオンさんから、リンドウに魔法石が埋め込まれたアクセサリーが売ってるみたいだから、一緒に見に行かない?魔法を使いたい剣術士のクラル様に、ピッタリかなって思って」
僕が誘うと、クラル様は「行きたい!」と即答した。
「じゃあ、行こうか。準備が出来たら、庭においで。待ってるから」
クラル様にそう伝えて、僕は庭に出る。庭では、いつもの様にモンスターたちがそれぞれ思い思いに過ごしている。
その様子を眺めてると、後ろから「ルーチェ」と声をかけられて、僕は声がした方を見た。
そこにいたのはクラル様で、僕と目を合わせたクラル様は「お待たせ」と微笑む。
「……よし、じゃあ行こっか」
僕は、クラル様を連れてリンドウへと向かった。