親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「……ありがとう」

僕は、クラル様からお菓子の入った袋を受け取るとお礼を言った。

「あ、アーサーとティム、それからレオンさんの分もあるよ。丁度良かった……今、渡しとくね」

そう言って、クラル様はティムにお菓子が入った袋を3つ渡す。クラル様に、2人は同時にお礼を言った。

「これは、母様が作ったものだからね。レオンさんなら見たら分かるだろうけど、念の為ね」

それから、2人はクラル様に挨拶をして、クラル様と別れる。

そして、2人を見送った後、僕は部屋に戻ってクラル様からもらったお菓子を1つ食べた。

「……美味しい……」

形からは、クラル様が一生懸命作ったというのが伝わってくる。

「……僕からも何か返さないとな……」

そう呟いて、僕は何を返したらいいかを考える。色々と考えた結果、クラル様に手紙を渡すことにした。

「……手紙か……うん。良いかも」

僕は、早速机の上にペンと紙を用意する。そして、僕はペンを走らせた。

『拝啓、親愛なる魔王様へ』