親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
「こいつ、すごいんだよ!」

父様はそう言って、僕のことを話す。呪具使いになったこと、僕に魔導師の才能があることなどを。

レオンさんは、「そっか」と相槌を打つと何かを考え込んだ。それを見た父様は「レオン、どうした?」と首を傾げる。

「……ルーチェくん。君、魔法薬の調合に興味ない?」

レオンさんの言葉に、僕は驚くことしか出来なかった。



あれから、数年後。僕は15歳になって、父様から許しが出たから1人でカラミティにあるレオンさんの家に向かう。『私も町まで行きたいです』と言ってきた八咫烏を肩に乗せて。

何回か父様とレオンさんの家に行ったことはあるけど、一人で行くのは初めてだ。

今日は、レオンさんに魔法薬の調合の仕方を教えてもらう日。

初めてレオンさんと会った日から魔法薬の調合に興味はあったけど、父様が「ルーチェが、もっと大きくなってからね」って言ったんだ。

「ルーチェくん、おはよう。久しぶりだね」

「おはようございます。お久しぶりですね……今日は、よろしくお願いします」

「その前に、少し俺と話さない?久しぶりだから、色々と聞きたくて……」

八咫烏のことを聞くことなく、レオンさんはそう問いかけてくる。僕が「いいですよ」と頷くと、レオンさんは僕に家に上がるように促した。
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