親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

僕の肩に止まってた八咫烏が『私は、これで失礼します』と言って空に飛ぼうとすると、レオンさんは「ルーチェくんの肩にいる君も入ってくるといい」と八咫烏を見つめる。

『おや、カラスが喋ることに驚かないのですね』

僕の肩に乗りながら、八咫烏はレオンさんに向かって言った。レオンさんの顔には、優しい笑みが浮かんでる。

「いやいや、これでも驚いているんだよ？」

『……私には、驚いているようには見えないです』

笑みを浮かべたままのレオンさんを見て、八咫烏は呟いた。それに、僕は苦笑した。

「とりあえず、上がってよ」

レオンさんに促されて、僕は「失礼します」とレオンさんの家の中に入る。リビングに案内された僕は、レオンさんに促されてリビングにある椅子に座った。

「ルーチェくん、大きくなったね。何だか、孫の成長を見守るおじいさんになった気分だよ」

僕の前にお茶を置いたレオンさんは、そう言って微笑む。

「ありがとうございます。レオンさん、いつも飲み物を用意して頂いてすみません……」

僕の言葉に、レオンさんは「良いよ。気にしないで」と笑みを崩すことなく言った。

「ルーチェくんの肩にいるカラスは、モンスターか何かなの？」

僕と向かい合うように椅子に座ったレオンさんは、僕をじっと見つめる。