親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
「ここだよ。散らかっているけど……」

そう言って、レオンさんは一室のドアを開けた。

部屋にはたくさんの本が置かれていて、床には何かが書かれてる紙が何枚か落ちてる。机の上には、魔法薬の調合に必要であろう道具が置かれていた。

「魔法薬の調合は、皆が思っている程危険じゃない。むしろ、安全に出来るよ。1人で調合するには、『魔法薬調合師』っていう称号が必要だけどね……今回は、俺がいるから称号がなくても出来るよ」

そう言いながら、レオンさんは慣れた手つきで準備を始める。

……魔法薬の調合は、理科の実験と似てるようで、全く別物……ということか。

「そういや、魔法薬の説明をしてなかったね」

レオンさんの言葉に、僕は口を開いた。

「……昔、母様にもらった教本に魔法薬について載っていました。魔法薬とは、液体状になっていて、飲むと色んな効果を発揮する薬ですよね。回復系、バフ系、状態異常の解除系の3種類に分類されている」

レオンさんは、僕の説明を聞いて「うん。その通りだよ」と微笑む。それから、レオンさんは魔法薬の作り方を実際に作りながら教えてくれた。

「魔法薬は、失敗すると綺麗な色から濁った色に変化する」

そう言ってレオンさんは、綺麗な淡いピンク色の魔法薬の中に追加で材料を入れる。すると、魔法薬は淡いピンク色から濁った色に変化した。
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