親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「はい。よろしくお願いします」

僕がレオンさんに微笑むと、近くから冒険者育成学校の先生であろう男性の「それでは、任務実践の説明を始めます」と言う声が聞こえてきて、僕らは男性の方を向いた。



説明が終わったあと、与えられた任務先にやって来た僕ら。

この授業は、実際に任務に行くだけじゃなくて、他の冒険者と連携を取れるようにする、という目的もあるらしい。

そして、この授業だけは生徒の評価は先生がするんじゃなくて、実際に同行した人が毎回評価するんだって。

「討伐するのは、あのモンスターだな？」

先生から渡された紙を見てから、アーサーは獲物を探すかのように辺りを歩いてる一匹のモンスターに目を移す。

「そうだね。でも……モンスターの様子が変だ」

僕がそう言うと、レオンさんも「どこか、違うよね」と頷いた。

「そうなのか？変には、見えないが……」

「あのモンスターは、基本集団で行動するんだよ。リーダーが狩りをして、食べ物を仲間に分け与えて生活しているんだ。その集団から外れてしまった者は、リーダー以外は生きていけないんだよ。狩りを許されてるのは、リーダーだけだから。獲物を探そうともしない」

僕が説明をすると、ティムは「確かに、獲物を探しているように見えるね。あれが、リーダーって可能性は？」と問いかけてくる。