親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
突然のレオンさんの言葉に、僕らは首を傾げる。レオンさんに「まぁ、3人とも……とりあえず、座りなよ」と言われて、僕らは椅子に座った。

「少し前にクロードから、こんな提案をされたんだ。数日間、クロードの……ルーチェくんの暮らす家に泊まって特訓をしないか……とね。俺はこの提案を受け入れようかなって思うんだけど、アーサーくんとティムくんはどう?」

レオンさんの問いかけに、2人は顔を見合わせる。そして、少し考えるとティムは「僕は、賛成です」と微笑んだ。アーサーも頷く。

「決まりだね」

2人の返事を聞いて、レオンさんは微笑んだ。



あれから数日後の朝、僕はいつもよりも早く目が覚めて朝から本を読んでいた。

僕が今読んでるのは、異世界転生もの。読み終わって、僕は本を閉じる。

……異世界転生か……僕も、十何年前まで異世界の住民だったっけ。それから、僕もこの世界に転生して……。

前世での暮らしを思い出してたら、色々と懐かしくなった。

「……」

色々と思い出してるとドアがノックされる音が聞こえてきて、僕はドアの方を見る。

「ルーチェ、起きてる?もう、アーサーくんたちが来たんだけど……」

ドア越しに父様の声がして、僕は「起きてます!」と返すと部屋のドアを開けた。
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