親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～
誰かとモンスターの間に入って、魔法で目の前に紫の半透明の盾を作り出してモンスターの攻撃を防ぐ。

「…………君は……」

後ろから声がして、僕は「大丈夫ですか？」とモンスターから目を離すことなく問いかけた。

「……うん、大丈夫……」

……あれ？この声……どこかで聞いたことのあるような……どこで、聞いたんだっけ……それを思い出すのは、後だ。今は、目の前の敵に集中しないと。

盾を作り出したまま、僕は杖を構えると最近覚えた攻撃魔法の呪文を唱える。

魔法は詠唱なしでも使えるけど、詠唱した方が威力が上がるんだ。

攻撃魔法をコントロールして、モンスターに攻撃魔法をぶつける。すると、モンスターは僕に向かって走ってきた。

モンスターは僕の作り出した盾に体当たりする。パリン、と音を立てて盾が割れた。

「……っ！！」

体勢を立て直したモンスターは、もう一度僕に向かって走ってくる。防御魔法では間に合わないと判断した僕は、防御体勢を取った。

直後、モンスターは何かに吹き飛ばされる。

「ルーチェくん！」

「ルーチェ！」

そんな声が聞こえてきて、僕は声がした方を見た。そこには、レオンさんとクラル様がいる。
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