親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
ここなら安心して暮らせる……そう不思議と感じるんだ。

「…………おやすみなさい」

僕は小さな声でそう呟くと、そっと目を閉じる。

この世界で上手く生きていけるのか、明日からどんな生活が待っているのか、不安を抱えながら僕は眠りへと落ちた。



「あ、リル!おはよう!」

朝起きて、クラルさんとクロードさんと一緒に館内を歩いていると、リルさんと出会ってクラルさんはリルさんに近づいた。

「クラル様、おはようございます」

リルさんは微笑んで、クラルさんの頭を撫でる。

それから、僕に近づくと「おはようございます」と言いながら僕の頭を撫でた。

「おはようございます」

僕が挨拶をすると、リルさんは「やはり、名前がないと呼びづらいですね」と呟く。

そう。転生後の僕には、名前がない。

「…………ルーチェ……」

クラルさんが、呟く。クロードさんとリルさんは、同時に「え?」とクラルさんを見た。

「この子の名前!ルーチェはどう?」

クラルさんの言葉に、クロードさんは「いいね。君は、どう?」と僕を見る。

「良いですね!」

僕が微笑むと、リルさんは「決まりですね」と微笑んだ。

クロードさんは、微笑むと口を開く。

「今日から、君はルーチェ。ルーチェ・クロウディアだ!!」
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