親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~



あの日から、数年。ここでの生活は、すっかり慣れた。

クラルさんの母親である側近のノアさんも、クラルさんの父親である魔王のクロードさんも、クロードさんの部下であるモンスターたちも、皆とても温かい。

あれから、僕は育ての親となったノアさんとクロードさんのことは、「母様」と「父様」って呼ぶようになった。クラルさんの影響で。

多分、ここでの生活を前世で僕の友だちだった人らに話したら、驚かれるか戸惑うかの2択だと思う。

あとはこの世界で使われてる文字は、前世で使ってた文字と全く違うから、それにも驚きそうだな。

クロードさん――父様以外にも何人か魔王がいて、その魔王を束ねる大魔王がいる……らしいんだけど、その魔王たちは、悪さをしようと日々企んでるらしい。

前に、父様がそう言っているのを聞いた。

ノアさん――母様や、人間に擬態できるという特殊能力を持つ、狼型のモンスターのリルに勉強を教えてもらいながら、この世界に存在する魔法(この世界には、攻撃系、防御系、バフ・デバフ系、状態異常系、回復系しかないよ)を放てるように練習していた。

今も、庭で魔法の練習をしている。

この中に魔法を扱う職業・魔導師の人はいないから、独学で魔法を習得しようとしたことがあるらしい母様からもらった魔導師の教本を読んで独学で覚えるしかないけど。
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