親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「見たら分かるでしょ、お父さん。本を取りたいの！」

「お父さん、俺らじゃ取れないから取ってくれよ」

「分かった。取ってあげるから、大人しくするんだよ？お父さん、大事な話があるから」

そう言って、村長さんは2人に近づく。

「大事な話？あのお兄ちゃんたち、誰？」

「この村を守るために、来てくれたんだ」

そう言いながら、村長さんは本棚から2人が取りたかった本を取り出した。それを、2人に渡す。

「お待たせしました。まさか、この部屋に私の子どもがいるとは思わず……せっかくだ。2人とも、挨拶をしなさい」

本を大事そうに抱える2人に向かって、村長さんは言った。

「俺、カナタ・モチヅキ！8歳だ！」

「私は、エリカ・モチヅキ。カナタの双子の妹です。同じく8歳」

2人の自己紹介が終わったあと、僕らも自己紹介をする。

「剣術士のアーサー・ウィリアムズです。よろしくな」

「治療師のティム・ラファールです。よろしくお願いします」

「大魔導師のルーチェ・クロウディアと言います。よろしくお願いします」

僕が自己紹介をすると、エリカさんとカナタさんの2人は「え？」と反応した。

僕がその反応を疑問に思ってると、「モンスターが出たぞ」という声が外から聞こえてくる。