親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「……来たか。本当は、あのモンスターについてお話したかったのですが……」

「あの怪物なんか、俺一人で倒せる！」

そう言って、カナタさんは走って部屋を出てった。エリカさんは「カナタ！」とカナタさんのあとを追いかけるように部屋を出てく。

「エリカ！カナタ！」

急いで2人を呼び止めようとした村長さんだけど、すぐに「すみません。今から2人を探してきます……モンスターをよろしくお願いします」と僕らに頭を下げた。

「……いや。僕が2人を探します」

僕が村長さんに向かってそう言うと、村長さんは「え？」と顔を上げる。

「その代わり、避難誘導をお願いしたいです。村人を守るために。なるべく、モンスターに近づかないようにお願いします。ティムは、村長さんと一緒に避難誘導を。怪我人がいたら治療を頼む。アーサーは、僕が戻るまでモンスターの気を引いてて。2人を見つけ次第、すぐ戻る！」

それだけ言って、僕は家を飛び出した。走って、2人を探す。すぐに、2人の姿を見つけた。

どこかに行こうとするカナタさんを、エリカさんが引っ張って止めてる。

「そこで、何をしてるんですか？」

僕が声をかけると、2人は一斉に僕の方を向いた。

「何だ。お前か……えっと、誰だっけ？」