親愛なる魔王の君へ~転生したので、魔王の側近になります!~
「異世界……?何を言ってんだ?」

アーサーが首を傾げると、エリカさんは、しまった、と言いたげな顔をした。

「……この2人も、僕らみたいな転生者らしい。ちなみに、転生前は前世の僕……望月光の両親だったらしいよ」

「え!?この2人が!?」

驚いた様子のアーサーを見て、エリカさんは首を傾げる。僕は、簡単にアーサーとティムも転生者であることを2人に話した。

「……色々と話したいことはあるだろうけど、そろそろ戻らないと。村長さん、2人のこと心配してたよ?」

僕がそう言うと、カナタさんは「戻りたくねぇ……」と嫌そうな顔をする。

「お父さんに怒られるから?それは、突然飛び出したカナタが悪い」

エリカさんにツッコまれて、カナタさんは黙り込んだ。

「……怒られるだろうけどさ。まずは、その元気な顔を見せに行こ?」

そう言って、僕は2人に向かって微笑む。

「……分かった……」

渋々といった感じで、カナタさんは頷いた。僕らは、村長さんの家へと歩き始める。

「そういや、お前らはどこに住んでるんだよ?」

「僕らは、カラミティって町に住んでるよ」

僕が住んでるのは、カラミティの近くにある森の中だけど……僕もカラミティに住んでるってことにしよう。
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