親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「カラミティって、あの冒険者育成学校がある町だよね？2人は、冒険者育成学校に通っているの？」

「いや、僕は通ってないよ」

「俺は、数か月前までは通っていた。諸事情で、辞めたがな」

「ルーチェ、アーサー。見つけた！」

そんなティムの声がして、僕はティムがいる方を見る。

「ルーチェに言われたこと、全部終わったから様子を見に来たんだ」

「モンスターは、ルーチェが倒したぜ！ルーチェの魔法、かっこよくってな」

アーサーは、そう言って話し出した。ティムは「そっか……僕も、見てみたかったなぁ……」と呟く。

「ルーチェの言っていたティムって、こいつのことか？」

カナタさんの言葉に僕が頷くと、カナタさんは「お前らのこと、詳しく聞きたい。皆、近くにはいないしちょうどいい」とティムを見つめながら言った。

首を傾げるティムに、僕はカナタさんとエリカさんが前世では僕の両親だったということを話す。

「転生者って、僕らだけだと思っていたけど……他にもいたんだね……光の両親ってことは、前世の僕と前世のアーサーのことも知ってるってことか」

ティムの言葉に、カナタさんは「どういうことだ？」と首を傾げた。

「……えっと、この姿では初めまして。七瀬和夢（ななせかずむ）という名前でした」