親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

「俺は、東雲旭（しののめあさひ）！」

2人が前世での名前を名乗ると、カナタさんとエリカさんは同時に驚いた顔をする。

「……なるほど、2人は光の友だちか……」

エリカさんの言葉に、アーサーは「ああ！」と元気よく笑った。ティムも、微笑んでる。

……そういや、アーサーとティム……出会った頃よりも笑顔が増えたような気がするな。

「あ、そうだ。ルーチェ、あの暴れてたモンスターのことなんだが……少し、気になるんだよな。あの時の件もあるし……」

アーサーは、急に話題を変えた。僕は、さっき倒したモンスターの姿を思い出す。

「…………確かに、気になるよね。でも、僕はモンスターについて詳しいわけじゃないからなぁ……」

「……前、暴れていたモンスターのことは知っていたから、もしかしたらって思ったけど……ルーチェは魔物使いじゃないから、分からないのも無理はないか……」

僕らで話してると、エリカさんは「前って……同じようなことがあったの？」と話しかけてきた。

僕は、アーサーとティムが冒険者育成学校に通ってる時のとある授業中に、様子がおかしいモンスターと戦ったことを話す。

「その日、この辺にはいないはずのドラゴンも現れたんだ」