親愛なる魔王の君へ～転生したので、魔王の側近になります！～

この世界に存在する魔法には、火、水、地、風、光、闇の属性のうちどれかが付与させているのがあって、モンスターの弱点によって使い分けるらしい。

僕は、まだ闇属性の攻撃魔法を一つだけ覚えただけ。

魔法を放ってて思うんだけど、この世界は本当にRPGの世界なんだな。転生した日に、薄々勘づいてはいたけど……技を撃つ時のエフェクト？演出って言ったらいいのかな？それが、良くRPGのゲームで見たものだから。

「……今日の練習は、ここまでにしようかな。今から、母様に別の教本をもらいに行って……それから、自室で趣味に没頭しようかな」

そう呟きながら、僕は庭を歩き始めた。その時、僕の目の前に巨大なモンスターが現れる。

手には、紫の宝石が埋め込まれた真っ黒な杖を握っていた。その杖からは、禍々しいオーラを感じる。

「……ルーチェ！」

父様の声が聞こえてきて、僕は声がした方を見た。僕に向かって走ってきた父様は、僕の隣まで来ると立ち止まる。

「…………なるほど。呪具の呪いによる暴走か……」

父様は、モンスターを見つめてから呟いた。その呟きを拾った僕は「呪具？」と首を傾げる。

「呪具っていうのは、触れたものを呪う道具のこと。その呪いに耐えた持ち主がいれば、他の人が触っても呪われないんだけど……」

一旦言葉を切ってから一呼吸置くと、父様は話を続けた。