バイバイ、リトルガール ーわたし叔父を愛していますー
ある日、いつものようにミニカーを見ていたら、航がすみれに言った。
「どれでも好きなヤツ、ひとつ持っていっていいぞ。」
「いい。いらない。」
航がそれらをとても大切にしていることを知っていたすみれは、大きく首を振った。
「いいから。好きなの選びな。」
そう何度も言われすみれは、実はひそかにお気に入りだった黄色いワーゲンを指さした。
「じゃあ、これ。」
航は人差し指と親指でそのワーゲンをつまむと、すみれの手の平に乗せた。
「なるほど。すみれらしい選択だな。黄色いワーゲンを見ると幸せになれるらしいぞ。大事にしろよ。」
「うん!」
「すみれが大人になって、子供が出来たらそれで一緒に遊んでやれ。」
「じゃあ私、航君の子供を産む。」
「おいおい。すみれは大胆なこというなあ。こっちが照れるだろうが。」
「だって子供って結婚すれば出来るんでしょ?私と航君が結婚すればいいじゃない。」
「正確には結婚するだけで子供が出来るわけじゃないが・・・ま、いまはそんなこと言っていても、そのうち気が変わるさ。女心と秋の空っていうからな。」
「変わらないもん!」
「俺はお前の叔父だぞ?」
航は腕組みをしながら、眉毛を下げて笑った。
その時のすみれはまだ幼過ぎて、その言葉が自分への牽制だということに気付いていなかった。
すみれはその黄色いワーゲンのミニカーを、小さな巾着の中に入れていつも持ち歩き、お守りのように大事にした。
「どれでも好きなヤツ、ひとつ持っていっていいぞ。」
「いい。いらない。」
航がそれらをとても大切にしていることを知っていたすみれは、大きく首を振った。
「いいから。好きなの選びな。」
そう何度も言われすみれは、実はひそかにお気に入りだった黄色いワーゲンを指さした。
「じゃあ、これ。」
航は人差し指と親指でそのワーゲンをつまむと、すみれの手の平に乗せた。
「なるほど。すみれらしい選択だな。黄色いワーゲンを見ると幸せになれるらしいぞ。大事にしろよ。」
「うん!」
「すみれが大人になって、子供が出来たらそれで一緒に遊んでやれ。」
「じゃあ私、航君の子供を産む。」
「おいおい。すみれは大胆なこというなあ。こっちが照れるだろうが。」
「だって子供って結婚すれば出来るんでしょ?私と航君が結婚すればいいじゃない。」
「正確には結婚するだけで子供が出来るわけじゃないが・・・ま、いまはそんなこと言っていても、そのうち気が変わるさ。女心と秋の空っていうからな。」
「変わらないもん!」
「俺はお前の叔父だぞ?」
航は腕組みをしながら、眉毛を下げて笑った。
その時のすみれはまだ幼過ぎて、その言葉が自分への牽制だということに気付いていなかった。
すみれはその黄色いワーゲンのミニカーを、小さな巾着の中に入れていつも持ち歩き、お守りのように大事にした。