溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
「小宵かわいい」
「あうう、見ないでください……っ」
「なんで?かわいいんだからもっと見せて」
「うー」
「でも俺以外に見せたらダメだよ?」
……見せませんよ。
こんな風にドキドキさせられてしまうのは、きっと世界でリユくんだけです。
他の誰も目に映りません。
あなたの紅に映るのが、私だけだったらいいのに――……。
なんて、何を考えているのでしょうか!
「……そろそろ寮に帰らないといけない時間だね」
「……そうですね」
「夜、電話するね」
「っ!はいっ!」
「そんなに嬉しいんだ?」
――はっ!
柄にもなくはしゃいでしまいました!
恥ずかしいです……。
「あーあ、帰したくないなぁ」
「ええ!?」
「また明日ね」
最後にほっぺにキスされて、リユくんは男子寮に戻られていきました。
もうずっとドキドキさせられっぱなしです!
リユくんと出会うまで初恋もまだだった私には、全てが初めてで追いついていません。
リユくんと過ごす度に好きの気持ちが大きくなります。
私はどうしようもなくリユくんに恋しているのですね――。
ずっとリユくんと一緒にいたいなんて、欲張りすぎる望みでしょうか?