溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


「小宵かわいい」

「あうう、見ないでください……っ」

「なんで?かわいいんだからもっと見せて」

「うー」

「でも俺以外に見せたらダメだよ?」


……見せませんよ。

こんな風にドキドキさせられてしまうのは、きっと世界でリユくんだけです。

他の誰も目に映りません。

あなたの紅に映るのが、私だけだったらいいのに――……。

なんて、何を考えているのでしょうか!


「……そろそろ寮に帰らないといけない時間だね」

「……そうですね」

「夜、電話するね」

「っ!はいっ!」

「そんなに嬉しいんだ?」


――はっ!

柄にもなくはしゃいでしまいました!
恥ずかしいです……。


「あーあ、帰したくないなぁ」

「ええ!?」

「また明日ね」


最後にほっぺにキスされて、リユくんは男子寮に戻られていきました。
もうずっとドキドキさせられっぱなしです!

リユくんと出会うまで初恋もまだだった私には、全てが初めてで追いついていません。

リユくんと過ごす度に好きの気持ちが大きくなります。
私はどうしようもなくリユくんに恋しているのですね――。

ずっとリユくんと一緒にいたいなんて、欲張りすぎる望みでしょうか?


< 10 / 57 >

この作品をシェア

pagetop