溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
そ、そんな……。
でも、言われてみればあの時、プチっと髪を引っ張られたような痛みを感じたんですよね。
本当に極月さんが……?
「いえ、憶測で疑うのはよくありません」
「でもどうするの?今のままだと授業受けられないよね?」
「そ、そうですね……服もありませんし」
着ていたパジャマはブカブカです。
パンツは入りませんし、どう考えてもこのままでは学校に行けません……!!
「とりあえず先生には熱出して寝てるってことにしとくね。
服は何とかするから昼休みになったら様子見に行くよ」
「マオちゃん…、ご迷惑をおかけしてすみません」
「そんなことないよ!ロリ小宵のお世話ができるなんてサイコー、じゃない、何とか元に戻る方法探さないと!」
「そうですね……」
こんな姿ではデートどころではありません……。
「とにかくマオは学校行ってくる!何かあったら連絡してね!」
「はい!行ってらっしゃい!」
マオちゃんが出て行くのを見送り、改めて鏡の前で自分の姿を見ました。
紛うことなき子どもの姿です。
子どもの私ってこんな感じだったんですね、と何だか不思議な気持ちになってしまいます。
「……とりあえず顔を洗いましょうか」
そう思って洗面台に向かったけれど、手が届かない……!!
手を伸ばしても全く届きません……!!