溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


そ、そんな……。

でも、言われてみればあの時、プチっと髪を引っ張られたような痛みを感じたんですよね。

本当に極月さんが……?


「いえ、憶測で疑うのはよくありません」

「でもどうするの?今のままだと授業受けられないよね?」

「そ、そうですね……服もありませんし」


着ていたパジャマはブカブカです。
パンツは入りませんし、どう考えてもこのままでは学校に行けません……!!


「とりあえず先生には熱出して寝てるってことにしとくね。
服は何とかするから昼休みになったら様子見に行くよ」

「マオちゃん…、ご迷惑をおかけしてすみません」

「そんなことないよ!ロリ小宵のお世話ができるなんてサイコー、じゃない、何とか元に戻る方法探さないと!」

「そうですね……」


こんな姿ではデートどころではありません……。


「とにかくマオは学校行ってくる!何かあったら連絡してね!」

「はい!行ってらっしゃい!」


マオちゃんが出て行くのを見送り、改めて鏡の前で自分の姿を見ました。

紛うことなき子どもの姿です。

子どもの私ってこんな感じだったんですね、と何だか不思議な気持ちになってしまいます。


「……とりあえず顔を洗いましょうか」


そう思って洗面台に向かったけれど、手が届かない……!!
手を伸ばしても全く届きません……!!


< 15 / 57 >

この作品をシェア

pagetop