溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。


焦った私はキョロキョロと部屋を見回し、台になりそうなものを探しました。

とりあえず椅子を持って来ようとしましたが、これを運ぶのも一苦労。
何とか頑張って押して、洗面台に近付けます。

お、重いです……。

それに今気づきましたが、私この椅子の上にも乗れませんね……。


「ど、どうしましょう……!」


これは大変です、想像以上に何もできません!!
顔も洗えなければ、歯も磨けない!?

そもそも食堂にも行けませんね……。

そう思ったら、ぐーーとお腹が鳴ってしまいました。


「お、お腹が空きました……」


マオちゃんは授業が始まった頃でしょうし、どうしましょう……。

私、本当にどうすれば!?

とにかく何か食べるもの、と思いましたがお菓子もありません。
たまにマオちゃんとお菓子パーティーしているのですが、この前食べ切ってしまったばかりでしたね……。

寮の各部屋には小型冷蔵庫があるので、飲み物はあります。
飲みかけのジャスミンティーがあったので、とりあえず飲みましょう。


「ううっ、ペットボトルの蓋を開けるのも一苦労です…っ」


手が小さくて握力も低下しているので、上手く空けられません……。
ということは、飲み物も飲めない!?


「これは本格的にやばいですね……」


< 16 / 57 >

この作品をシェア

pagetop