溺愛ヴァンプはピュアな彼女を本能よりも愛し抜きたい。
それにしても、どうすれば元に戻れるのでしょうか?
魔法のせいだとしたら、解き方はあるのでしょうか?
魔族は種族人口は多い方だと聞いているので、他の方に聞けばわかるのでしょうか?
でも、聞ける友達なんていませんし……。
「それに、リユくんにはなんて言えば……」
そこでハッとしました。
そうです、リユくん。専属契約を結んでいる私は、毎日昼休みにリユくんに血をあげています。
今日もリユくんに血をあげなければ!
毎日一定量の血を飲まないといけないのですから。
こうしてはいられません、早くリユくんの元に行かなければ!
大人しくしているというマオちゃんとの約束を破り、私は寮を抜け出しました。
ごめんなさい、マオちゃん……!
幼い足を何とか動かし、いつもリユくんと待ち合わせている屋上に続く階段に向かいます。
この体では階段を登るのも一苦労です…!
「あれ?あんなところに女の子がいるよ」
「本当だ。迷子?」
見つかってしまいました……!
私は何とか走って屋上へ向かおうとしました。
ごめんなさい、ごめんなさいと何度も呟きながら、息を切らして登り続けます。
「リユくん……っ!」
やっと辿り着いた先に、リユくんはいました。
今日もなんて麗しいのでしょう。
リユくんの美しさとこの体のせいで涙もろくなり、リユくんに会えただけで泣いてしまいました。